革製品のおもしろさや、ハンドメイドとブランド品との違いについて、Leather Base の代表である赤嶺さんにお話を聞きました。
- 革に興味を持ち始めたのはいつ頃ですか?きっかけなどがあれば教えてください。
赤嶺さん: 革に興味を持ち始めたのは、学生の頃でした。ベルトを買ってバックルを変えてみたりしていました。そこで革製品に触れる楽しさを知ったと思います。
- 学生時代から革に魅了されていたんですね。それからどうして革製品を作ろうと思ったんですか?
赤嶺さん: 就職して上京した頃、青山でたまたま革素材のお店に立ち寄る機会があったのですが、そこで『カバンを作りたい』と思い立って、材料を購入しました(笑)。その後、実際にビジネスバッグのようなものを作り、それを持って会社に通っていました。きっと周りの人には、「あいつなんであんな物を持ってるんだろう」と思われていたかもしれませんね(笑)。しかし、それがきっかけで革製品への情熱が芽生えたんです。
- 革製品というとブランド品のイメージが強いと思いますが、ブランド物が好きだったことはありますか?
赤嶺さん: もちろん、ブランド品にも興味がありました。ブランドが扱う革製品には、何十年もかけて積み上げてきた技術が施されています。ただ、ハンドメイドにはハンドメイドならではの良さがあり、比べるものではないと思います。
- なるほど。どちらにもそれぞれの良さがあるということですね。ちなみに、赤嶺さんの考えるブランド品との違いを教えていただけますか?
赤嶺さん: 商品によって違いはありますが、革をなめす方法が異なることが多いです。ブランド品が主に採用しているクロムなめしは、均一な仕上がりで、変色・変化が起こりにくいという特性があります。逆に、ナチュラルななめし(タンニンなめし)は、革に自然な風合いを残すため、革本来の傷や血の跡が残ったり、使っていく中で油脂や日光などの影響を受け、変色が起きるといった特徴があります。人によって好みが分かれるかと思いますが、ナチュラルななめしの、形が手に馴染んできたり、色が変わったりして、持ち主に染まっていくところが革のおもしろみだと思います。革製品は時間が経つほど愛着が湧くものです。
- おもしろいですね。そういった観点で革製品を比べたことがなかったので、これから少し見方が変わっていきそうです。他にナチュラルななめしを採用した革製品の推しポイントはあったりしますか?
赤嶺さん: 先ほど、ナチュラルななめしは傷や血の跡が残ったりすることがあるとお話したと思うのですが、その特徴から同じ革はこの世に二つと存在しないため、どの商品も一点物であるというところがおすすめのポイントです。
- なるほど。すべての商品が唯一無二ということですね。確かにそれは嬉しいポイントですね。ナチュラルな革製品を購入するうえで、こう扱ってほしいといった注意点はありますか?
赤嶺さん: 私としては、ナチュラルななめしを施した革は、非常に耐久性に優れているので、むしろ大事に扱わないでほしいと思っています(笑)。使う人によって変化の仕方が違うため、“その人に染まっていく”というところを楽しんでほしいです。10年前に買った商品を修理に持ってくる方もいるのがその証拠です。
- 10年間使い続けて、修理することでさらに使い続けられるのはすごいですね(笑)。時を経ても色褪せない、特別な存在なんですね。本日は革のおもしろさについて知ることができました。ありがとうございました。